こじんまりとしたプレイに伸びしろはあるのか?

まずはこのXでのやり取りをご覧ください

今回は、このやり取りに対するアンサー記事になります。
Xだと文字数制限があり、細やかな思いを表現できないので、こちらで書くことにしました。

前提

まず、僕のツイートの趣旨なのですが、
「こじんまりとしたプレイをする人は突き抜けた上達をできない、後から来た人の踏み台になりがち
 伸びしろを捨てている、そういう球は見てて眠くなっちゃう」
というようなことを、書きました
まぁ我ながらひどい主張であることは理解しています笑

ここで僕が言っているこじんまりとしたプレイとは、
そのレベルに応じた平均的なシュートレンジに比べて明らかにレンジの狭いプレイを選択する
という意味で使っています
これは無茶攻めをすればいいという話ではないです

そのレベルであれば入れに行く、または出しに行くことが可能、
というかできないといけないのに、
一旦セーフティをして自分にできる配置が来るまで耐える、
というようなプレイを、レンジの狭いプレイと表現しています

これを試合の時に自分の出来ることを理解してプレイをするということなら良いことなのですが、
平場でも練習でもレンジを狭くしすぎると、正しい上達の妨げになるだろう
と、僕は考えているというのが前提になります

視座の話

ブレイクも右手さんの主張は、
レンジの狭いプレイでも突き詰めれば強いA級になれる、レンジが狭いメリットもある、伸びしろを捨てることにはならない

という3点になるかなと思います
そして、それは自分自身の実体験からくる思いだとおっしゃっていました

それはそうなのかもしれません
しかし、これはブレイクも右手さん自身の事情による特殊事例かなと受け止めています

というのも、僕はもう少し高い視座で考えています。
それはレッスン系Youtubeをスタートしようと思った理由ですとか、
なぜ「A級になろう」をテーマとしたのかですとか、
そういうところにも係ってくるお話です。

どのような考え方を持ってA級を目指して貰うか?
A級になったあとにどのようなプレイヤーを目指すのか?
そのためには初心者・初級者時代にどのような教育をすればいいのか?

という視点でビリヤードを考えています

実際に、最近の弟子であるパダワンに対して教えている内容も、
その点をよくよく考えています

・キュースピードは遅いより速い方が良い
・セッティングは遅いより早いほうが良い
・入れる競技なのでとにかく入れないといけない

特にパダワンは女子なので、
キュースピードが男子より出ないという思い込みをして欲しくないため、
キュースピードを上げるためのセッティングと
右腕の神経を鍛えるような練習をさせています

女子だからこういう球はできないという思い込みってめっちゃあると思います
まぁもちろん実際にあるんですけど、
初心者や初級者の段階でそういうマネジメントに気を割くのではなく、
ならキュースピードを上げよう、という考え方にしたいんですよね

ちょっと話はそれましたが、
要するに個別具体的なミクロの視点ではなく、
もう少し大局的なマクロの視点で技術論についても考えている、
ということです
(ですので個別具体的な例を否定するという話でもないです)

シュートレンジについて

・レンジの狭いプレイでも突き詰めれば強いA級になれるのか?

これについては、
結論から言えば、それで強い人もいるんじゃないの?
とは思います

ただ強いというのがどのくらいかと言うと、
球聖A級に残るくらいは強いかもしれないけれど、
全国SA並やオープン戦でプロに勝って決勝日に残るレベルの人で、
そういったレンジの狭いプレイを基本スタイルとしている人は
あんまり思いつかないかなぁ?と思います

あ、セーフティが上手いのと、レンジが狭いのは別ですからね
やっぱり結局そのレベルの人は入れるし出しますよね

上のレベルでもそうですし、
僕は初心者・初級者(C~B中)が中級者(B上~)を目指すにあたって、
という所を主題で考えていますし、
そうすると、やはりレンジを広げていく考えを持っていないと、
どこかで止まってしまうと思います

極論を言うと、セーフティをまじめに考えるなんて
A級になってからでも良いくらいだと思っています

C,B級時代は、入れて入れて勝てるレベルですから、
入れられそうなら入れに行く、出せそうなら出しにいく、
トラブルを割れそうなら割りに行く、カットもバンクも行く、
くらいでちょうどいいと思いますね

あと、レンジが狭い人ってショットスピードが遅い人が多いですね
ショットスピードが遅いと球撞きの幅ってすごい狭くなってしまいます
遠い球は転がすしかなくなってしまうので、
そりゃシュートレンジも狭くなるよなって思います

ショットスピードの基本的な感覚って、A級になってから直すのってすんごい大変です
ブレイクのスピードもそうですし、押し引きや捻りのキレもそうですしね

A級になってから急にキューが切れるようになったとか、
急にブレイクが強くなったとかって、あまり聞かないですよね
B級になった時くらいのプレイスタイルでアップグレードされていく傾向にあると思います

ポケットビリヤードにおける、あまねく技術を身に着けるのだ、
という姿勢があるべき姿勢だと思いますし、
(ナインボール、テンボール中心の技術ですが、、笑)
そのためには初心者・初級者時代に
こじんまりとしたプレイを覚えないというのも大事だと考えています。

僕の持論

上の項目でもちょっと書きましたが、僕が思うビリヤード技術の目指すべき所はこんな感じですので、
僕が下級者に教える場合は、この考えが前提になります
C~Bに定着して欲しいなと思う考え方です

◆技術的な目指す方向性
・キュースピードは遅いより速い方が良い
・キュー切れは無いよりある方が良い
・ブレイクは弱いより強い方が良い
・薄い球も遠い球も入れられる方が良い
・捻れないより捻れる方が良い
・セッティングは遅いより早いほうが良い
・フィジカルは無いよりある方が良い

◆マネジメント(頭)の方向性
・ストローク力(基礎力)あってのマネジメント
・入れる競技なのでとにかく入れないといけない
・入れて初めてネクストが成立する
・ネキミスをした次の球はリカバリーを優先で考える
 リカバリーがアンセ含めてどうしても無い場合(成功率30%以下)のみセーフティ
・ネクストが無い球の場合はその球でセーフティではなく
 次にセーフティしやすいところに出す、要するに1球でも多く入れる
 (この辺は配置によるので細かいことはA級になってからでいいと思う)
・試合で平場の球は撞けないけど撞けるようにするのだ、というのがあるべき姿

伸びしろはあるのか?

また話がズレましたが、こじんまりしたプレイに伸びしろはあるのでしょうか?

Xでは伸びしろを捨てる行為と断定しましたが、
これは文字数の制限があるのでそういった表現になりました

シュートレンジを広げるというのは、
出来ることを増やして行くという技術よりな考え方であり、

狭いシュートレンジでやっていくというのは、
今できることで結果を出すためにはどうしようか?
というマネジメントよりの考え方であるとも言えます

ただ広げていくと言っても、
そりゃー無理でしょうというショットもあるわけで、
そこにはマネジメントが必要です

要するに、練習・平場・試合で、どのようにバランスを取っていくかが大事なわけです

平場の対戦や試合で技術的な上達を求めて臨んでいれば
腕前以上の勝率を残すことは難しくなるでしょう
逆に、マネジメントよりの思考で試合に臨めば、
同格や少し格上には勝ちやすいかもしれません

僕が伸びしろを感じないと言っているのは、
上達が難しくなってくるA級の入り口くらいで
完全にマネジメント重視のプレイスタイルになり、
技術上昇が停滞しているプレイヤーのことです
(具体的に思い浮かんでる顔も、ちらほらちらほら・・笑)

プレイはまとまってはいるし、
試合でもアマ公式戦の決勝日くらいには残ることもあるし
ホームでのハウスでは結構優勝したりするけど、
その状態で5年も10年も過ごしている・・。

そういったプレイヤーはつまらないし、見てると眠くなるんですよねぇ

もちろん、その中には僕より上手い人もたくさんいます
でも、目指そうとは思えないんですよね

そして、僕が教える下級者にも目指して欲しくないです
目指すなら、技術向上に試行錯誤している人を目標にして欲しいですね
定番ですが土方Pや大井Pとかね

アマの上の方でも、更なる技術向上を目指している人もいますね
そういった姿を目指す方が、伸びしろはあると思いますね