トッププロのブレイクの数値の差について

今回はJPBAのトッププロのブレイクの数値ついて考察していきます。
羅プロ、土方プロ、大井プロ、赤狩山プロ。
この4人の数値を比べてみて、どんな考察が出るか見ていきましょう。

ブレイク関連の数値について

はい、どん。出ました。
サンプル数もそれぞれ違いますので、
これのみで一概にこうだという結論を出すのは危険ではありますが、
1つの傾向というものが、何かしら見て取れないか、探していきたいと思います。
まず、色分けですが、緑が良い数値で、赤が悪い数値だと思ってください。
例えば、ブレイクスクラッチ率は低い方が良い数値ですが、
ラック取得率は高いほうが良い数値ですよね。
なので、直感的に分かりやすいように、赤色が成績として悪い数値、
というように色を着けています。

各プロ毎の良い数値・悪い数値について

まずやはり、土方プロと大井プロには緑色が多いですね。
ブレイクが強いとかブレイクが巧いというイメージがあるとおりです。

羅プロはブレイクが苦手という印象はありませんが、
強いという印象もありませんね。
イリーガルの数値が多くなってしまっているのは、
コンディションなどもあるかとは思いますが、
そこまでハードに行くタイプではない人の弊害でもあると言えます。
土方・大井の両名とと並ぶと黄色や赤が多く見えますね。
そして、さすがだなと感じるのはプッシュアウトラック取得率の高さですね。

ちなみに、プッシュアウトラック取得率とは、
プッシュアウトを仕掛けたラックを、結果的に取得できたかどうか、という数値になります。

プッシュアウトだけが要因で取れたかどうか、という数値ではなく、
ラックの途中での攻防により優位が入れ替わり、最終的にラックを取得した、
という場合もあるかとは思いますが、
そこは、今後セーフティ関連の数値を見ていくことで解決していくと思いますので、
こうご期待ということで。

しかし、プッシュアウトがそもそもある程度はまっていなければ、
そのラックのブレイク権優位を維持できませんので、
多くのラック数を見ていけば、この数値が高いことは、
プッシュアウトが巧みであるという証明になるかと思います。

あるプロのお話で、
プロ全体としてはプッシュアウトによってそのラックを取得できるかどうかは、
50%前後に収束しているというコメントがありました。
ただ、それも10年15年前のプッシュアウトが運用され始めてから少し経ったくらいのお話なので、
今ではもっとプッシュアウトについても研究がなされているのだと思います。

土方プロも多いプロも、ブレイクイン平均個数で羅プロと赤狩山プロを上回り、
ランアウト率も高いです。
大井プロに至っては、78ブレイクして34ランアウトですからね。

プロの試合でですよ。
しかも、このデータ集計は殆どが最終日のデータですから、
トッププロ同士の試合でこのランアウト率です。
いやー、化け物ですね。

数値として特筆すべきは、
土方プロのプッシュアウトに関わる取得率の高さです。

プッシュアウトラック取得率は60%で、
被プッシュアウトラック取得率は3/3ではありますが、驚異の100%。

プッシュアウトを仕掛けられたマスは全部勝っている、ということです。

土方プロというと、10代でプロになり、
とにかく圧倒的なシュート力とブレイクの破壊力であっという間にトッププロに駆け上がった人気プロです。

当時の隼斗レンジと呼ばれたシュートレンジの広さや、
遠いというのは特にシュートに対する障害にはならないと思っている。
というようなコメントをしたり、
(うろ覚えでして、いつどこで言ったかなどはすみません、覚えてないですが・・)
多少隠してもジャンプショットで狙えてしまったりと、

とにかくイレに特化して、入れて入れて入れて勝ち続けていた、という印象がある人も多いと思います。

しかし、ブレイクに関して言えば、強くて上手いですし、
プッシュアウトも上手いわけです。

10年ほど前は、圧倒的な強さで年間チャンピオンを連続で取っていた土方プロですが、
その後、大井プロや羅プロも含めて他のプロも台頭してきて、
以前のように圧倒的に毎年1位という状態ではなくなっています。

それ以前と、それ以後で、色々な数値がどう変わったのか、
というのも気になるところですね。
それもいずれ考察していきたいと思います。

さて、ということで、
今回のブレイクについての考察の結論を書いていきます。

結論

1.ブレイクが強くて上手い人は、やはりそのラックの取得率が高くなりやすい。
毎回入れて、取り出しでの選択権を持てるので、
そのラックをコントロールしやすいからである。

2.ランキング上位者はプッシュアウトが上手い
更に、ラック取得率の高さには、
プッシュアウトの上手さは不可欠な時代であると言える。
今回は4名の選手を挙げたが、
ランキングが高い選手はプッシュアウト系の数値が良い傾向にある。

3.ブレイク強者および巧者はプッシュアウトラック取得率が高い
ブレイクが強いとか上手いという印象が無い選手の多くは、
プッシュアウトもあまり上手くない傾向がある。
羅プロはブレイクが強い印象はないが、上手さがあり、
プッシュアウトも上手いため、
ブレイク権のあるラックのコントロール力が高い。

これにより、ブレイクラックのキープ率が、
羅:69.4%
土方:68.1%
大井:66.7%
と、3者が65%を超える数値であるのに、

赤狩山:57.1%
と、60%を割ってしまっている。

※追加考察ですが、
赤狩山プロは相手ブレイクラックの取得率が高く58%ほどあります。

羅:46.3%
土方:44.2%
大井:56.3%
赤狩山:58.6%

多くの選手が50%を下回りますので、技術戦に強いと言えますが、
トップ選手のブレイクキープ率の68%を上回るものではないため、
結果的に取得ラック数に差が出てしまうことになります。

ブレーク率が60%あったらすごいですが、
よほどブレイクが成功しない環境でないと、
そうはならないですからねぇ。

まだまだ勝者ブレイクの試合もありますし、

ブレイク後の取り出しの自由度を高めるブレイクの強さや巧さ
プッシュアウトをどのように処理するかのスキル
この辺りがラック取得率に表れていき、試合の結果を左右している一因となっている

ということになるでしょう。